全日本オープンでは今井さんなど実力がありながらも今まで勝ちに恵まれなかった方が優勝しました。
金谷さんもまたその一人です。
数ヶ月前、私は金谷さんとのスパー後あることを伝えました。
金谷さんのその時の攻めはジャンピング側転パス命スタイルでした。
行くと見せて飛ぶ、キワは飛ぶ、迷ったら飛ぶ。
その都度、私は巌石落としでマットに叩きつけておりました。
私はそれが金谷さんの持ち味であることを理解しています。
スパーが終わった時、言おうかどうか迷いましたが、金谷さんが見据える目標を私も知っていたので、意を決して言いました。
「もう飛ぶのはやめましょう。」
このままでは金谷さんの柔術に進歩がなくなると判断しました。
そしてしばらくの間、私は金谷さんとスパーしませんでした。
8月の後半に入り、金谷さんの練習頻度が上がってきました。
全日本オープンへのエントリーも報告を受けました。
久しぶりに金谷さんとスパーで組むことにしました。
そしてその時は訪れたのです。
金谷さんがトップをとって攻めの体勢に入った時、金谷さんの身体が「飛ぶ」セットアップに入りました。
また巌石落としだな。。。
その時です。
金谷さんがグッとこらえたのがわかりました。
飛びたい身体を自分の意思で止めた瞬間が発生したのです。
ずっとやってきたことを止めるのはなかなかできることではありません。
スパー後、金谷さんにそのことを伝えると「先生に言われたことを思い出しました。」と言っていました。
強くなりたいという本気の意思を感じることができました。
その日から金谷さんは全日本オープン当日まで1日も休むことなくレギュラークラスに出続けました。
俗にいう金谷場所の始まりです。
この金谷場所13日目までの練習で金谷さんのガードワークとパスガードは王道スタイルに切り替わっていました。
もちろん、私以外とのスパーで飛ぶのを見かけることはあります。
しかし、今の金谷さんであればむしろそれは武器になるでしょう。
精度高く基本のパスガードでプレッシャーを掛けた上での側転パスは時に有効です。
基本をどこに置くのかという問題なのです。
金谷さんの柔術は間違いなく進歩しました。
私はそれだけで十分でしたが、金谷さん自身がそれを己に染み込ませる為には、試合での「優勝」ほど有効なものはありません。
金谷場所千秋楽。
この大一番で金谷さんは圧勝しました。
こんな最高な場所が他にあるでしょうか。
この勝利を自信に、これからも先を見据えた練習を金谷さんにはしてほしいと思っています。
金谷さん、優勝おめでとう!!
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