今は白帯だけど、実力がついてくれば帯の色が上がっていく。
職場も自宅も横浜だが、先生と道場の仲間が好きで巣鴨まで通っている。
トライフォース柔術アカデミーという道場だ。
代表の早川先生はもちろん黒帯で、その強さはまるで異次元。
柔術の黒帯って本当にすごいんだなぁ。
今日もレギュラークラスに参加した。
生井さんは来なかった。
クラス後の掃除を終え、さぁ、シャワーを浴びて帰ろう。
ところが今日はどうも様子が違う。
「全員壁側に並んで。」
次のクラスに参加する人のことかな?
次のクラスに参加する人のことかな?
「更衣室に入った人も全員出て!」
まずい、誰か何かやらかした。
いや、気づいてないだけでその誰かは自分の可能性だってある。
さっきまで賑やかだった道場が一気に静まり返った。
誰もが早川先生が口を開くその瞬間にかたずを呑んだ。
そして・・・
・・・・に、・・・・を授与します。
!?
・・サンに、・・帯を授与します。
「スンザンに、黒帯を授与します。」
ここは!?
スンザンが黒帯に昇格した!
ドッと湧き上がる歓声。
サプライズ授与式だ!!
この瞬間の喜びと興奮はあの時も今も変わらない。
先生とそれを祝福してくれる仲間がいる。
サプライズ授与式だ!!
この瞬間の喜びと興奮はあの時も今も変わらない。
先生とそれを祝福してくれる仲間がいる。
誰もがスンザンへの惜しみない拍手を止めなかった。
その間にスンザンが私のところに来た。